連鎖

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連鎖

沈黙の中には静かな影が ただ羅列していた輪郭に そういえば、言葉は無秩序に 夢の中に落ちていく 輪郭は無残に飛び散る夏の風に 揺らいでいく幻想の中を 弾け出して繋がっていたはずのものは また蘇る日々に 鉄の信号が続く だから、それすらも同時に 描いていたのは気のせいだったかもしれない ただ落ち込んでいる鱗粉に 踊る万華鏡の透明な 棺の中に眠る端々が 連鎖していく音に紛れて またやってくる 塩酸は溶かした容器の 嵐に紛れて、ただそれが覆いつくすから 今、言えば連絡していく鼓動に 突き動かされた辺りには散らばる もういなくなったから、 寂しく移ろう季節に 帰って行く地面が記号だったから 落ち着いて探せば暗闇の 蛋白質の中に煙草が 揺さぶろうと虚しく それは消えることなく去って行った だから、ゴミ箱にカラスの残骸が 取り残された芝生の上を 走り去っていく 雨が止むことはない
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