91人が本棚に入れています
本棚に追加
〈もちろん聞こえてるよ~。僕とユラシルはいつだって繋がっているからね~〉
ここには無い相棒は呑気な口調で返答してきた。
(お前、今どこにいるかわかるか?周りに何かないか?)
〈たくさん武器がある部屋だね。暗くてジメジメしてる、このままじゃ錆びちゃいそうだよ~〉
(やっぱり囚人たちが使ってた武器の保管庫か……俺の居場所はわかるか?)
〈それももちろんだよ~。ちょうど僕のいる場所の真下だね〉
(ナイス。なら、とっとと始めるか)
ユラシルはチラリと前髪の隙間からシービスとミラを確認。姿勢変わらず座ったままの二人はユラシルから目を離さず見据えている。
(フォルス師匠と戦った時と同じ手でいく。頼むぜ相棒)
〈待ってたよ、ユラシルが求めてくれるのを〉
そして、直後だった。
ゴバァアアア!!とユラシルの牢屋の天井を貫いてスカイリベルが刃剥き出しで侵入。そのまま止まることなくユラシルの左肩に突き刺さった。
「「なっっ──!!?」」
スカイリベルの能力『ワールド』の貯蓄が機能し、枯渇していたユラシルの体内に莫大な力が注ぎ込まれた。驚愕している二人を他所に、世界最悪の犯罪者と呼ばれた男が鎖から解き放たれる。
「シービス、ミラ。全部終わったらゆっくり話をしよう。それまでしばしお別れだ」
瞬時にシービスとミラを『ワールド』で拘束。破られないよう全力で作り出し、しかし時間が経てば自然消滅するよう細工を施した物でこの場に固定する。
「くッ、ユラシルッッ!!!」
「やめて!!これ以上罪を重ねないでッ!!!」
「だからこそしっかりケジメはつけさせる。だから任せろ」
最初のコメントを投稿しよう!