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ユラシルは王宮の地下にある牢屋の中で【極致開闢】を発動させ、二人を残し分厚い地層を突き破る。巻き上がった土煙から飛び出し移動すると、すぐに黒一色の男と出会した。
セイン・クラックバーン。千年前の時代で生きていた最強の殺し屋であり、『黒殺の死神』と恐れられ、ユラシルと共に『終局』と戦った仲間である。
「無事だったかユラシル!」
「話は後だ!!シェリムとリーン、マリーラも連れてエマリエーカから脱出する!安全な場所まで全速力で逃げるぞ!!」
「っ、了解した!」
ユラシルが先行する形で飛び、途中で今名前を挙げた二人と一匹を拾ってエマリエーカ王国からの逃亡を謀る。
けれど、そううまくはいかない。いかせてくれなかった。
「ッ!!?マジかクソ、あの拘束を自力で破りやがったか!」
「追手だな、それも相当の強者……このままでは逃げられんぞ、迎え撃つか!?」
「………いや、俺とお前が本気であいつらとやり合えばいよいよエマリエーカが消し飛ぶ。セイン、リカル村を知ってるか?」
「エマリエーカ王国から南西にある集落だな?」
「そうだ、そこで落ち合おう。俺があいつらをどうにかして巻くからそこで身を隠しててくれ」
「貴様一人でいけるのか?まだ体が万全ではないんだろう?」
「なんとかやるさ」
「………よし、ではリカル村で会おう。次は捕まってくれるなよ!」
「心配ご無用!!」
ユラシルが停止しセインを行かせる。ユラシルは直ぐ様引き返し、追いかけてくる二人を自ら出迎えた。
「この国にまだ仲間がいやがったとはな。で、お前が足留めすんのかよ」
「事情が事情なモンでな」
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