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「じいちゃん、ヨットに乗るのやめちゃうの。僕、海についていろいろ教えてもらいたかったのに……ヨットは、やめないでよ」 「そうか、そう言ってくれるのはアキ坊だけじゃな。でもな、じいちゃんは、みんなに迷惑をかけてしもうた。けじめをつけなきゃならん。じいちゃんの航海はこれで終わりじゃ…………。  で、じゃ……。そのー、じいちゃん1人だけで行く航海は、今回で終わりじゃ。これからは……」  じいちゃんは、僕のあたまをなでた。 「え? 何? 何?」 「じいちゃんとアキ坊の航海の始まりじゃ! これからは、じいちゃんは1人ではヨットに乗らん。アキ坊と乗るんじゃ。これからはアキ坊の航海じゃ!」 「ええ! 僕、じいちゃんとヨットに乗っていいの?」 「そうじゃ。2人で乗る。そのかわり、じいちゃんに何かあったら助けてくれや」 「わかった! 父さん、母さん、いいよね?」  なんか、心配そうな2人だったけど 「おう、アキ坊も海の男になってこい!」 「そうね。じいちゃんに海や船のことをたくさん教えてもらって、じいちゃんを助けてあげてね」  僕が、じいちゃんとヨットに乗ることをゆるしてくれた! 「じいちゃん!」 「おう、アキ坊!」  じいちゃんは、窓から見える海を指さして言った。 「アキ坊とじいちゃんの航海の始まりじゃ! ゴーへー(前進)!(Go ahead!)」  Bon Voyage!
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