回文短歌風(どこまでやるか・250まで)五十首詠 201-250

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回文短歌風(どこまでやるか・250まで)五十首詠 201-250

01  似ろ良い子 舞観ず神楽 奏でる手 永らく霞み 今濃い色に  にろいいこ まいみずかぐら かなでる(て ながらくかすみ いまこいいろに) 02  映え方だ イケる勝つリフ 伝わるわ たっぷり浸かる 芸戦えば  はえかただ いけるかつりふ つたわる(わ たっぷりつかる げいたたかえば 03  きっとミス 兄貴と戻る 顔貸しか オカルトもどき ニアミス十月  きっとみす あにきともどる かおかし(か おかるともどき みあみすとつき) 04  バレたかも 好きだと贔屓 大様さ 大きい人だ 傷も語れば  ばれたかも すきだとひいき おおさま(さ おおきいひとだ きずもかたれば 05  別れ月 川面に刻む 心色 屈む先にも 我が喜連川  わかれつき かわもにきざむ こころい(ろ こごむさきにも わがきつれかわ) 06   檜ある友と安らぐ四季の地の棋士暮らす宿戻る秋の日  ひのきある ともとやすらぐ しきのち(の きしくらすやど もどるあきのひ) 07  子が噎すか飛ぶ身尽きない渡り鳥他愛無き罪ふと霞む過去  こがむすか とぶみつきない わたりど(り たわいなきつみ ふとかすむかこ) 08  命掛け耕作祈りこの花は残りの戦動け勝の意  いのちかけ こうさくいのり このはな(は のこりのいくさ うごけかちのい) 09   知らないかごねる絵描きの死ぬ徴主の気変える猫飼い慣らし  しらないか ごねるえかきの しぬしる(し ぬしのきかえるねこかいならし) 10  狐の子担い籠見る入る寝る威張る神子かい何この寝付き  きつねのこ にないかごみる はいるね(る いばるみこかい なにこのねつき) 11  無い皺が怪異なムード漂うよ ダダ ドーム内 如何わしいな  ないしわが かいいなむーど ただよう(よ だだどーむない いかがわしいな) 12  鼎談か 良い子猫間の子猫の子 猫の孫猫 伊予柑(いよかん)抱いて  ていだんか よいこねこまの こねこの(こ ねこのまごねこ いよかんだいて) 13  奇異の絵に慧眼が知る的示し 止まる時間か生贄の息  きいのえに けいがんがしる まとしめ(し とまるじかんか いけにえのいき) 14  玄人はスマイル真顔 代えて待て 笑顔が円い先ずは登録  くろうとは すま るまがお かえてま(て えがおがまるい まずはとうろく) 15  友乱れ すぐ違反して風紀無き 初心で心配 崩れた身許  ともみだれ すぐいはんして ふうきなき うぶでしんぱい くずれたみもと 16   死と児の名 姫舞ひて消ゆ 東雲の野路行きて火魔 女雛の如し  しとこのな ひめま てきゆ しののめ(の のじゆきてひま めびなのごとし) 17  騒ぐなと スペクトルマン 敵砕く 機転丸得 べスト薙ぐ技  さわぐなと すぺくとるまん てきくだ(く きてんまるとく べすとなぐわざ) 18  仮事か 強いぞオーラ 慧眼か 行け!ラー遅い 四つ角ゴリが  かりごとか つよいぞおーら けいがん(か いけらーおそい よつかどごりが) 19  タフな奴 やった「はれぶた」 努める目 取った!振れ旗 つやつやなブタ  たふなやつ やつたはれぶた つとめる(め とつたぶれはた つやつやなぶた) 20  長き雨 園濡らし日の吉夢読む 月の美知らぬ 望め秋かな  ながきあめ そのぬらしひの きつむよ(む つきのびしらぬ のぞめあきかな) 21  蝉の羽は着なば必ず肥田示し旅すら半ば亡き母の店  せみのはは きなばかならず ひだしめ(し たびすらなかば なきははのみせ) 22  名は一つ 華美の衣服の美童追う 飛び退く不意のピカッと火花  なはひとつ かびのいふくの びどうお(う とびのくふいの ぴかっとひばな) 23  糸纏う兄以外化け憑物も気づけば異界似合う戸惑い  いとまとう あにいがいばけ つきもの(も きづけばいかい にあうとまどい) 24  過疎疎い過去瞞しの繋がりが夏の市香山誤解と嘘か  かそうとい かこまやかしの つながり(が なつのしかやま ごかいとうそか)   ※ 市香山(地名)→死か山/死火山 25  母「ははは」婆は「はははは」母は馬場 婆は屎(ばば)、「大蛇(はは)!」 「hubba hubba(ハバ‐ハバ)」母は  ははははは ばばははははは はははは(ば ばばははばはば はばはばははは)   ※ 最初の「馬場」は場所、「屎」はトイレのつもり。     ハバ‐ハバ【hubba hubba】[感]早く早く。     はは《「はば」とも》大蛇。     羽場/波場/羽塲/馬場(苗字/地名)     掵/沮/阻(地名)     ばば【×糞/×屎】     はば【幅/巾】     は‐ば【端場】義太夫節 26  感嘆符啀む世問ひに稚気記し機知に人読む回文短歌  かんたんふ いがむよとひに ちきしる(し きちにひとよむ かいぶんたんか) 27  異端知るこの遠坂に咲く春は草に風音遺る神代  いたんしる このとおざかに さくはる(は くさにかざおと のこるじんだい) 28  岸中の石二度放れ海の香の身憂うほどに思惟の悲しき  きしなかの いしにどほうれ うみのか(の みうれうほどに しいのかなしき) 29  人と慣れ賭け勝ちたのも谷陰か似たものたちが穢れなど問ひ  ひととなれ かけかちたのも たにかげ(か にたものたちが けがれなどとひ) 30  この誤解恋の落差よ渇き浮き我が世桜の憩いがこの児  このごかい こいのらくさよ かわきう(き わがよざくらの いこいがこのこ) 31  消える江か見よ虹色の昧爽ぞいま呪い路に蘇る疫  きえるえか みよにじいろの まいそう(ぞ いまのろいじに よみがえるえき)   32  悲しみよ残り香さえもまやかしか山燃えさかりこの夜魅し名が  かなしみよ のこりがさえも まやかし(か やまもえさかり このよみしなが) 33  火の粉舞い残り香さえもまやかしか山燃えさかりこの今この日  ひのこまい のこりがさえも まやかし(か やまもえさかり このいまこのひ) 34  凄まじき勝鬨なれど退く兵へ首獲れなきと近き島指す  すさまじき かちどきなれど ひくへい(へ くびとれなきと ちかきしまさす) 35  笑み止まり死人や悲し竹の葉のけだし長宿聖窓見え  えみとまり しびとやかなし たけのは(の けだしながやど ひじりまどみえ) 36  舞う欲目地響き悲し十六夜よ祭祀長き日犇く妖魔  まうよくめ じひびきかなし いざよい(よ さいしながきひ ひしめくようま) 37  今は未だ問弔の道印し魑魅のいらむと人魂は舞い  いまはまだ とひとむらいの みちしる(し ちみのいらむと ひとだまはまい) 38  まさか今裁かれた過去遺す傷此の子が誰か狭間いかさま  まさかいま さばかれたかこ のこすき(ず このこがだれか はざまいかさま) 39  罪一つ裁かれた過去遺す疵此の子が誰か罵殺(ばさつ)と秘密  つみひとつ さばかれたかこ のこすき(ず このこがだれか ばさつとひみつ) 40  果し合い叶うか無電才長けた勇んで向かう長い明日は  はたしあい かなうかむでん さいたけ(た いさんでむかう ながいあしたは) 41  ロココ・バー会って月並み繋がりが夏漲ってツアーは心  ろここばー あってつきなみ つながり(が なつみなぎって つあーはこころ) 42  聞けやさぞ季連る葡の葉の真屋に来に山の端昇る月ぞさやけき  きけやさぞ きつるほのはの まやにき(に やまのはのぼる つきぞさやけき) 43  戻る身を今夜の鷺子来ぬ背峰尾根見せぬ心の底を見るとも  もどるみを こぞのろここぬ せみねお(ね みせぬこころの そこをみるとも)   こ‐ぞ 去年。昨年。今夜。一説に昨夜とも。   ろ【鷺】   せ‐みね【背峰】馬の背筋のような長く連なった高地。 44  白斑越し噛むぞ子な母真忌み已み今は花こそ昔話触らし  しらふごし かむぞこなはは まいみや(み いまははなこそ むかしこふらし)   しら‐ふ【白斑白斑】、しら‐ふ【素面/白面】   か・む 【醸む】、か・む【×噛む/×咬む/×嚼む】   こ-な 【子な】子供たち。妻・恋人などを親しんでも呼ぶ。   ま‐いみ【真忌(み)】   昔話(むかしばなし)は民話のひとつ。「ムカシコ」   ふら・す 【触らす】( 動サ四 )広く人に知らせる。言いふらす。 45  孫の狐乳揉む楽日や舞の夜の今や引くらむ望月の駒  まこのきづ ちもむらくひや まいのよ(の いまやひくらむ もちつきのこま)   きつ【吉】、きつ【乞】、きつ【吃】、きつ【橘】、きつ【狐】キツネの古名。 46  名書き士ら詰めて麻濡らし疑義ぞ嘘聞き知らぬまでめづらしきかな  ながきしら つめてまぬらし ぎぎぞう(そ ききしらぬまで めづらしきかな) 47  シアノ好き初めあの日に計画が池に火の雨死はキスの味  しあのすき はじめあのひに けいかく(が いけにひのあめ しはきすのあじ) 48  平和(ひらわ)座の家罵る対絵も他知る夜下萌え出づる野辺の早蕨  ひらわざの へのるついえも たしるよ(る したもえいづる のべのさわらび)  「へのる」:調子に乗る(方言)   へ【瓮】酒などを入れる容器。瓶(かめ)。、へ【家】   【告る・宣る】言う。告げる。、の・る 【罵る】   した-もえ 【下萌え】、【出づ】、さ-わらび 【早蕨】 49  長き名の羅削ぎ須屋下褻着剥げば聞けとも易き空の鳴きかな  ながきなの らそぎすやもと けぎはげ(ば きけともやすき そらのなきかな)   ら【羅】うすぎぬ。   す‐や【須屋】御陵や貴人の墓をつくるときに、工事の間覆いとして設ける仮小屋。御須屋。   け‐ぎ【褻着】平生着る着物。普段着。けごろも。 50  人は消え知の死解く糸非業追う COVID-19(こびといく)都市 後、疫は飛び  ひとはきえ ちのしとくいと ひごうお(う こびといくとし のちえきはとび)
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