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「元気だったか!?」
彼は私に駆け寄ると、思い切りハグをして頬に軽くキスをした。
「ちょ、ちょっと雅也君!!」
すぐそばでは受付の子が目を丸くさせている。
「あ、迷惑かけてごめんなさい…。海外から戻ったばかりの…身内なんです…」
私は彼に抱きしめられたまま彼女たちになんとか笑顔を向けた。
彼は私がこの会社の本社に異動になったと同時に自分は起業を見据えてアメリカに渡っていたのだ。
アメリカでの挨拶ならば…これも普通なのかもしれないが、ここは日本で、しかも…職場。
「雅也君、離して…。ここ職場だし」
彼の腕から逃れると「悪い、悪い」と笑う彼の手を引いて受付を離れ、一番奥のロビーチェアに案内した。
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