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――Side渉 「望愛…早くこっちに来い」 寝る前、風呂に入るのはいつも俺の方が先。 望愛は俺たちより後に入り、その後は髪の毛やら顔やらを整える時間になる。 望愛が髪をといたり、かき上げたり、首元に何かを塗ってみたり、その一つ一つの仕草に胸の奥を刺激されながら、待ちきれずに声を掛けた。 「すぐ終わりますから、もう少し待っててください」 一度振り返り、俺をたしなめるように言うと最後に髪を整えて俺のいるベッドにやってきた。 「お待たせしました」と微笑む望愛に、俺は待たされたことへの苛立ち…というよりは拗ねた子供のように小さく望愛を睨んだ。 「そんなに丁寧に整えたって意味ねえだろ」 「寝る前に綺麗にしておくと、明日の朝が楽なんですよ?」 そんな理屈は百も承知だ。 俺はアイツをシーツに沈めて上から覆いかぶさった。 「今から乱れるのに…そんなに整えたってしょうがねえだろ…」
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