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今夜は…渉さんの家で夕食を食べることになっていた。
だけど、海外から戻った雅也君を一人にするなんてできない。
あとで渉さんにも、佐和子さんにも断りの連絡を入れておかないといけなさそうだ…。
「…わかった。もう行かなきゃいけないけど…雅也君、疲れてない?」
これから私の仕事終わりまで待つとなると随分時間がある。
心配になって思わず顔を覗き込んだ。
「…全然。望愛の顔見たら超元気出たしな。連絡待ってるからな」
「…うん。じゃあ後でね」
数歩歩きかけて後ろを振り返ると雅也君はまだその場に佇んで私を見ていた。
急に振り返った私に驚いた様子で眉を上げたが、その表情がどこか懐かしかった。
「…望愛、どうした?」
私は首を横に振った。
「ううん、なんでもない。行ってきます」
「おう、行ってこい」
雅也君は笑顔で見送ってくれた。
…雅也君が日本に帰ってきた……。
突然で驚いたけど、やっぱり…"嬉しい"ことには変わりなかった。
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