チョコレート

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チョコレート

 お風呂を出てから、ドライヤーでいつきに髪を乾かすと、テレビをつけてだらだらする。  連絡が入ったから、大智が帰ってくるまであとすこし。晩御飯を我慢しよう。 時刻は19時を回っている。正直お腹がすいた。ついついお菓子の入っている戸棚を開けた。二人とも体には悪いが、間食が好きで、二人で美味しそうなお菓子を見つけては購入していた。  戸棚からチョコレートを出す。  先週旅行に行った時に、わざわざチョコレートのお店を探して買いに行った時のものだ。  チョコレートは箱に丁寧に並べられていて、薄い円形のチョコの上に、乾燥させたオレンジや、砕いたナッツが散りばめられている。  1粒取り出して口に頬張り、ゆっくり噛み砕く。上にのったフルーツやナッツの歯ごたえと、舌の上のミルクチョコレートが溶けていく感覚を楽しむ。  お菓子は不思議だ。  いろいろな材料が、繊細に作り合わせられることで、ひとつの芸術品になる。  素人にはわからない。温度や湿度ひとつが狂えば、同じ美味しさのお菓子は生まれない。
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