12人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「おいクソ野郎っ!出て来いっ!!」
家に着いた瞬間大声で怒鳴りながら、自室へと入る。
「は~い、呼んだかな?っておぉおうっ!?」
エレックが出てきた瞬間、西島は迷わず蹴りを入れた。しかし当然すり抜けてしまう。
「ちょっとどうしたの~、そんなに怒っちゃって…。見たところちゃんとスケベできたみたいじゃないか」
「ふざっけんなっ!てめぇのせいで今日一日散々だったわ!何か間違えたんだろ!」
「ぇえ~、そんなはず…」
怒鳴られたエレックは、顔を顰めて西島を凝視する。少しして、「あっ」と声を漏らした。
「ごめん。ゲイの人にかけるヤツと間違えたみたい。しかも他にもいろいろ間違えちゃってるね。てへっ♪」
「てへじゃねぇ!!戻せすぐ戻せ今すぐ戻せっ!!」
「………」
「おい…何で黙ってんだ」
「戻せないんだなそれが」
「は?」
「昨日も言ったけど今のボクは力が凄く弱まってるんだ。昨日キミにおまじないをかけたことで沢山力を使ってしまったから、しばらく魔法使えないんだよね」
「はぁ!?じゃあどうすんだよ!!」
「キミが沢山スケベしてスケベポイントを高めてくれれば、ボクの力も早く戻るから…君に頑張ってもらうしかないね」
その言葉を聞いた西島は怒りと恐怖と…よくわからない感情に頭を支配され、大きく顔を引き攣らせる。
(嘘だろ…じゃあこれからずっと今日みたいな…?)
「無理に決まってんだろっ!!どーすんだよこれ!!お前何してくれてんだマジで!!」
「そんな怒らないでよ~。キミなら大丈夫大丈夫。今日だって男同士でもスケベできたみたいじゃない。あ、でもスケベポイントの上昇率からするとセックスではないみたいだね。ヌキっこかな?」
「っ…このクソ…!」
「その調子で頑張ってよ。じゃ、よろしく!」
「あっ!?待てコノヤロー!!おいっ!おいっ!!」
ボフンッと煙を残して消えてしまったエレック。
残された西島は、ガクリと膝から崩れ落ちる。
「あぁああああああああ!!!」
一人きりの部屋に、絶叫が虚しく響き渡った。
最初のコメントを投稿しよう!