魔法使いの子守歌

エピローグ

　　大好きなママへ
　毎日暑い日が続くけど、お元気ですか？　私は毎日楽しく過ごしています。みんなが大騒ぎで退屈してる暇なんてないの。困っちゃう。今日もね、オルディアが取扱説明書を読まなかったせいで綿あめの機械が大変なことになったの。綿あめがあんなに飛び散るって知らなかった。
　あれから一年が経って、オルディアはハイスクールの先生、グランディは保育士、フレイアはシェフ、ミレーネはモデル、ラフィはパイロット、リトはプログラマーになるんだって張り切ってる。みんな楽しそうで素敵なんだ。
　ただ、グランディはすごく大きいし、顔も怖いから小さい子に泣かれないか心配。でも、懐かれさえすれば大丈夫ね。グランディもとってもやさしいもの。
　オルディアは歴史の先生になるらしいんだけど、本当の歴史と今知られている歴史がちょっと違ってるみたいで四苦八苦してる。長生きも大変ね。
　それでね、ママ。ここからが本題なんだけど、みんながもしよかったら一緒に住まないかって言ってくれたの！　私、ママとも暮らしたいし、みんなとも暮らしたいの。わがままなのはわかってる。
　ママはお仕事もあるし、こことはそんなに近くもないし、ダメならいいの。でも、ここならお部屋も余ってるし、ママも楽しいと思うの。お家はへんてこだし、みんなちょっと、ううん、かなり変わってるけど……
　いいお返事もらえたらうれしい。
　　　　　　　　　　　　　　愛をこめて　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フィオレ・カリュクス