とめられない。

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まもちゃんは頭を手のひらにのせながら、かなり大きなため息をついた。 「久しぶりに連絡がきたから、これは何かあるなぁとは思ってたけど…」 「うぅ、、、ごめん」 「しかも何?相手、お客さんって何?どんな人かもわからないような人と何をそんな簡単に約束なんてしちゃってんの?」 「ごごごめん、、、」 「最近は物騒な事件も多いんだし気をつけなきゃダメじゃん。ストーカーとかだったらどうすんの?」 「吉川さんはそんな人じゃないよっ!」 そこだけ何故かはっきりと言いきってしまったわたし。まもちゃんはますます呆れた顔をして、 「………つまり、イケメンなわけね。」 あうぅ〜……。 本当にまもちゃんには何から何まで、、、 「返す言葉もありません。」 わたしはまるで、お白洲の席で遠山の金さんに桜吹雪を見せられて言い逃れのできなくなった悪い人みたいに、体を小さくさせた。
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