とめられない。

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結婚もして、社会人にもなってからますます男前度を増した遠山の金さん…もといわたしの友人は、 「ほんとにもう、小鳥は昔から顔のいい男に弱いんだから…。あと、スネに傷のある男?顔に傷のある男よりかはマシかもしれないけど、男は外見じゃないって何回言えばいいわけ?」 と、怒ると食べるスピードも早くなるまもちゃん。目の前のランチのおかずを次々と口に運んでいく。 わたしもノロノロとご飯を食べながら、 「まもちゃんがそこまで言うんなら、やっぱり行くのやめようかな。うん、断る。やっぱりよく知らない人と映画に行っちゃいけないよね」 あはは、と文字で書けそうなわざとらしい笑い声をわたしがこぼすと、まもちゃんはまたまた大きなため息をついて、 「もう…小鳥はすぐそうやって言う。あのね、わたしに相談してきた時点で小鳥の答えは出てるようなモンなの」 「え?」 「行きたいんでしょ?」 まもちゃんの優しくもまっすぐな黒い瞳に見据えられ、わたしは顔を赤らめてしまう。それをはっきりと確認したまもちゃん。 「でなきゃ、わざわざ相談なんかしないでしょ」 まもちゃんからこぼれたため息は、今度は確信の色を帯びていた。
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