とめられない。

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「小鳥は小鳥のしたいようにしなよ。小鳥の人生なんだから」 うん。わかってる。自分で自分の人生を生きてきたまもちゃんなら、きっとそう言うだろうなって思っていた。だから同じことをわたしに期待している。できるって信じている。 そういうまもちゃんがわたしは好きで、そして思い知る。わたしとまもちゃんが別々の人間だということを。 時々思うことがある。わたしの人生にもいわゆる「これまでのあらすじ」とか、「主人公を取り巻く人間相関図」とか、そういうのを誰か作ってくれたらいいのにって。そうしたらわたしはそれを見ながら、今目の前に現れた人が「敵」なのか「味方」なのか、すぐに知ることができる。 そうすれば、吉川さんがわたしにとってどんな人なのか。わたしはこんな風に迷わなくてもすむのに。だって初めてだから。 『とめられない』、こんな気持ちは。
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