それから出会い。

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それから出会い。

あ~、もう!またいい所で更新が止まってる! 朝、布団に包まれたままでわたしはWeb小説の続きを読んでいた。この時間がわたしの唯一と言っていい至福の時。誰にも邪魔されず、誰の目を気にすることもなく「わたし」でいられる時間。 主人公を助けてくれたこの人はいったい何者なんだろう?ヒロインのピンチに颯爽と現れるこのパターンは、ヒーロー登場の王道。だとしたら、この人が主人公を助け出してくれて、きっとこの先、恋に落ちるんだ! わたしは主人公に立った恋愛フラグを自分のことのように喜んだ。そして、主人公を助けてくれた男性キャラに対する描写をもう一度読み返す。 「深い深い、夜の色かぁ…」 そのキャラが持つという瞳の色を思い描いていると何故か、昨日出会ったあの人が思い出された。いけない、なんか朝から泣きそう。 もう残っていないと思っていた、けれど名前の知らない感情が胸にわいてくる。わたしはそれを見ないように瞳を閉じた。 そろそろ起きて着替えなくちゃ。朝からシャワーを浴びて、いつもよりも準備に時間をかけなくちゃ。そう自分に言い聞かせるようにして体を起こす。 今日は月に一度の食事の日。婚約者、園山さんと二人で、会う日………―
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