ブーケのワガママ

高校1年生、その日俺は生まれて初めてこんなに衝撃を受けた。

俺には婚約者がいるとお父さんから幼稚園の頃に聞いた時も「へぇ～」としか思わなかったのに。
その婚約者の女の子と会い、完璧な女の子だと分かった時も「おぉ～」としか思わなかったのに。
その完璧な女の子は、戦後の日本をリードしていた財閥の1つである永家財閥の本家の長女だと知った時も「えぇ～」としか思わなかったのに。

高校1年生、入学して数日後の部活見学でこんなに衝撃を受けることがあるなんて予想もしていなかった。

きっと他の生徒達も驚いてはいると思う。

でも、俺は驚きだけではなく衝撃を受けている。

俺が通い始めた私立の共学の高校。
近くにある私立の女子高とたまに交流しているという英語部。
今日は交流曜日だったようで女子高の生徒の女の子達も教室にいて、代表である高校2年生の女の先輩が驚くほど流暢な英語で自己紹介を始めた。

3分程当たり障りのない内容を話していたかと思ったら・・・

まさかの、突然・・・

フランス語を喋り始めた・・・。