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廉さんのアパートに着いた。
「本当はお風呂で身体を温めてほしいところだけど振られるかもしれないし…」とかなんとか独り言を言いながら、結局ソファに誘導された。
俺にはホットミルク、自分にはコーヒーを入れて、俺の隣…いつもより少し距離を空けてソファに座った。
色々聞きたいことはあるけれど、俺はここにくるまでに廉さんの想いを噛み締めてきた。
一方で廉さんはこの世終わりのようなかたい表情。
そんな表情初めて見た。
あ、俺が泣いちゃってそのまま返事してない…
「「あの…」」
「ごめん、柚季からいいよ」
「…あの、廉さんは俺のこと…好きなんですか?」
都合の良い幻聴じゃないことを確認したくてもう一回聞いてみる。
「もちろん、好きだよ。愛してる。…え、待って、俺は柚季と恋人同士だと思ってたけど違う?」
好きだよって…愛してるって…言われた…
俺は顔が赤くなるのに対し、廉さんはさらに顔を青くして俯く。
「あ、いや違います!!俺もお付き合いしてると思ってます!!でも先輩、俺と付き合う前は女性の方とお付き合いしてたみたいだし、俺が告白した時も俺が泣くから同情心で…」
「同情心のわけない!!サークルの飲み会で初めて会ったあの日から、俺はずっと柚季のことが…」
「え?」
「初めて会った時、先輩に絡まれて泣きそうになってる柚季を見て、なんだか無性に守りたいと思った。その時はこの気持ちが何か分からなかったけど、大学で会って話すようになって、好きだってことに気付いた。俺、好きでもないやつに教科書貸したり、一緒にご飯食べたりなんてしないよ。」
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