02 聖女は再び召喚される

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 誰もいない民家と民家の隙間のような路地の景色が、ぐにゃりと曲がり始める。 「え? これって……」  足元には見覚えのある、光る魔法陣。その光景に私は迷わず立ち止まり、次の展開を待った。 (もしかして、カイルに会えるの? オズマンド国に戻れる?)  心臓の音が激しくなり、口の中がカラカラだ。やがてその魔法陣の光は、私の全身を包み始めた。 (前と一緒だ! 嬉しい! やっとカイルに会えるんだわ!)  そして私の視界はすべて真っ白になり、ガクンと力が抜けた。次の瞬間、私の体は一瞬宙に浮き、そしてすぐに地面に叩きつけられる。 (あれ? おかしいな。前は瞬間移動みたいな感じだったのに) 「きゃああ!」 「誰だこの女は!」  なんだかものすごく騒がしい。ここは教会じゃないのだろうか? するとあっという間に私のまわりに人が集まり、後ろ手に縛られてしまった。 (ど、どういうこと? ここは、オズマンド国じゃないの?) 「おまえは誰だ! どうやってこの王宮に入ってきた!」 (え? 王宮? ここ王様がいるお城なの?)  それなら私の顔があまり知られていないのも当然だ。きっと何かの手違いで、教会ではなく王宮に召喚されてしまったのだろう。説明して調べてもらえば、私が聖女だとわかってもらえるはず! 「ぐう……うううう!」
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