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04 捕らえられた聖女
(嬉しい! 話せないってこと、気づいてくれた!)
私がすぐさまコクコクとうなずくと、カイルは隣にいた騎士に指示を出した。
「ケリー、魔力検査板を持ってこい」
「は!」
(あっ! カイルの部下のケリー補佐官だ! 彼も一緒に浄化の旅に行ったんだよね)
でもやっぱりケリーさんも、私のことがわからないみたいだ。チラリと横目で私を見たけど、あの目は警戒している様子だった。
「とりあえず、侵入者の魔力を調べようと思います。王宮に登録してある魔力と合致するものがあれば、すぐに身元が割れますので」
カイルが集まっている人たちにそう説明すると、その場にいる人たちはホッとしたように話し始めた。
「そうだな。国民は皆、登録しているのだから、すぐにどこの誰かわかるだろう」
「犯罪歴があれば、仲間もわかるのではないか?」
「それにしても転移じゃないとすれば、この部屋にどうやって……」
(思い出した! 私もアルフレッド殿下に言われて、名前や聖女だということを登録したんだった。これなら話せなくても、私のことをわかってもらえる!)
安心すると、一気に力が抜けていく。私はホッと息を吐き、顔を上げた。あいかわらずカイルは私を警戒し睨んでいるけど、すぐにわかってもらえるはずだ。
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