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(まあ、話せないから文句は言えないか……)
アルフレッド殿下は明日戻ってくるって言っていたけど、この様子では期待はもてないだろう。だって誰一人、私のことを覚えている人がいない。殿下だってそれは例外じゃないはずだ。
(それでも殿下は思慮深く、冷静な人だ。不法侵入というだけなら、罪に問わないかもしれない)
とにかく明日まで待とう。私は出された食事にも手をつけず、ただただ夜が明けるのを牢屋の隅で待っていた。その時だった。
コツコツと誰かがこちらにやってくる音が聞こえる。遠いからはっきりしないけど、看守と話す男の人の声が聞こえた。
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