02 聖女は再び召喚される

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02 聖女は再び召喚される

「ああ! そうだった! 瘴気は聖魔力を持った騎士さんにしか、見えないんだった……」  ガックリと肩を落とし、私がさっきした事が、何も伝わっていなかった事実に落ち込む。これじゃ、ただの変なパントマイムを見せつけた女だわ……!  それに一日で浄化する瘴気の量だってギリギリだったから、もう授業の続きができない。 (あの授業、好きじゃないから、今日中に終わらせたかったのに……!)  そんなしょんぼりと座り込む私の耳に、男のボソボソとした声が聞こえてきた。 「……ないか」 「え? なにか言いました?」  すると目の前の騎士が急にこちらに向かって走り出し、私をすごい勢いで抱き上げた。 「凄いじゃないか! あなたは本物の聖女だ!」 「え? 今? その前にさっき私が何をしたか、見えていたんですか?」  高い高いをされている状態の私がそう言うと、騎士は満面の笑みでうなずいた。 「ああ! 俺はこの国唯一の聖騎士だから、ちゃんと見えた! 君が瘴気を体に取り込んで、聖魔力で浄化して空に飛ばしたんだ。あんなに美しい光景は初めてだ!」 「……それは、どうも。それより、そろそろ降ろしてもらえると嬉しいのですが」 「ああ、すまない」  騎士は私をそっと降ろすと、素早くひざまずき、さっきの態度を謝罪し始めた。
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