夜のサーカステント

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 自分を奮い立たせるために、綱渡りの前にいつもルーファスとスラッピングをするときに使っている" Ready?(準備はいい?)"という掛け声を掛けることにした。すると、不思議とスイッチが入るのだ。  ルーファスとはクラウンにとって大事なムーブメントやパントマイムなどの練習を沢山した。パントマイムを教わっていると見つかってピアジェに怒鳴られるので、あまり思うように練習できなかったが。  トイレットペーパーの芯よりも一回り大きくて太い木の筒の上に、長い長方形の木の板をシーソーのようにして置いて、その片端にベレー帽を乗せて、もう片端の浮いた方を足で踏んでベレー帽を上方に飛ばし頭に被る練習も繰り返しやった。上手く頭に乗るようになったら、今度はわざと背中に乗せて、身体を揺らし頭まで帽子を動かして被る難易度の高い技も1週間ほどで習得した。  鞠でのジャグリングも最初はボールの大きさのために難しかったが、慣れてきたら3つでできるようになった。ただし、3つが限界だったが。
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