第四話

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第四話

夏休みを目前にした終業式の日。 貴之が顔に大きな湿布を貼って登校した。 その顔面を見ただけで、蘭と小波は全て察す。 「あ、ついに、クレカ使い込みバレた?お疲れ、貴之」 「意外ともったな。100万くらい使ったか?」 「大人になったら働いて返すからつけといて」 「俺もそれで」 机に珍味袋ポテチを10個パーティ開けして食べ比べしていた蘭と小波がハハハと笑った。 頬をヒクつかせた貴之が蘭の胸倉を掴んですごむ。 「お前らもうちょっと労われよ!殴られて禊した僕に優しくしてくれたのは京子だけか?!」 胸倉を掴まれた蘭がボソッと貴之に囁く。 「京子だけでいいくせに?」 パリッとワサビ塩辛ポテチをかじって、小波がニタリと笑った。 「えー初耳ですー貴之君ってそうだったんですか勝ち目薄ですー街でヤリチンクズやってるくせに京子様狙いとか何様ー」 「こいつ昔っから京子一筋でウゼぇ」 小波がプププとわざとらしく煽れば、貴之の殺意がこもった視線が飛ぶ。 「コレには理由があるんだよ!!」 「なんの話?」 メガネをくいっと上げて教室に入ってきた京子に、貴之は苦笑いした。 「京子ちゃん!貴之がね」 「小波ちゃぁん!お口チャック覚えよう!」 小波はポテチでベトベトの口を貴之に塞がれたので、貴之の手の平で油を拭いてやった。  
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