第四話

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終業式を終えて、夏休みに突入した。だが、小波たちは現実の問題の前に立たされる。 「やりたいことリスト」を遂行するための財源を失ったのだ。 下宿に集合して、日本家屋らしい畳の居間で蘭と貴之がゴロゴロしている。 京子は柱にもたれて文庫本片手に涼んでいて、それだけでそこはかとなくエロかった。 「夏休みしょーもなー」 「お金取られちゃったからね。クレカ禁止」 「そりゃあそうでしょ?最初からそんなことしちゃダメだよ?貴之?」 「僕、小波ちゃんの口縫いたい!」 小波はガハガハ品なく笑って、瓶ラムネをぐいっと喉に流し込んだ。 蘭がヨッと長い足を振り上げて起き上がった。 「でもこのやりたいことリスト遊びもう終わりだろ?金ないから」 「あら、残念だわ」 京子も文庫本を置いて、ちゃぶ台上のラムネの瓶を手に取って中のビー玉をしげしげと眺める。 ちゃぶ台周りに集まった3人に小波はハァと大げさにため息をついた。 「ハァ、みんな何言っちゃってんの?発想小学生以下か?」 「何だよ、お前たいがい煽りムカつくな。金使わねぇ遊びなんてツマンネェだろ」 「思考停止の老害と化した蘭には、まだ早いか?」 小波がフッと小馬鹿にする態度に、蘭はすぐ乗って来る。 「おっしお前、俺を楽しませてみろよ?!」 「バッカだなぁ蘭!一緒に楽しむからおもしろいの!」 小波はニッカリ笑って、天井にラムネを掲げた。 「お金がないなら、無しで遊べばいいじゃない!」   
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