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テテを付き従えて夜道を歩く里緒菜は、奥歯をガリッと噛みしめた。
「まさか山村留学生が女だったなんて、テテは知っていたの?」
里緒菜の後ろをピッタリ歩くテテは首を振る。里緒菜がミュールでパキッと小枝を踏み割った。
「でも蘭ちゃんはあんな色気もクソもない女になびいたりしないの
里緒菜わかってる」
里緒菜の前を黒いノラ猫が横切って行った。里緒菜が顔にぴったり似合ったカワイイきゅるん声を出す。
「街の女との火遊びだって全然平気。
だって蘭ちゃんは里緒菜のことが大好きな恥ずかしがりの王子様だもの。
私と蘭ちゃんは、
生涯を誓い合った仲なんだから!」
里緒菜は月の下で美しい髪をなびかせて、妖艶に笑った。
「ねぇ、そうよね?テテ」
ぶ厚い前髪で目元を隠すテテはゆっくりと頷いた。
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