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一瞬息が止まって、大きな杭みたいなもので貫かれたと思った。 でも俺が杭だと思ったのは花森のでっけぇチンコで、貫かれたと錯覚したのはソレがこともあろうに俺のケツにずっぷりと埋められていたのだった。 「っく……! きっつ、やべ、締まる……ッッ」 「……っ、は、あう、あっ……!?」 入り口をかなり丹念に解されていたから、出っ張ったカリの部分を押し込まれたあとは比較的? スムーズに? 俺のソコは花森のチンコを飲み込んだらしい。 あまりの衝撃に俺は目を見開いて金魚のように口をパクパクするだけで、言葉を発せないんだが。あーとかうーとかそんなんだけ。 ねえ、なにこれ。 おれいま、どうなっちゃってんの? 「どうだ、茎田」 「………」 どうって、なにが。 つーかおれ、しゃべれねぇんだけど。 「これが、男同士のセックスだよ……ッ」 はあ? ……ああ、はあーん。 ほうほう、これが、か。なるほど。 なるほ……ど? 「じゃ、動くからな……っ」 うごく? 花森が宙に投げ出されている俺の両足を掴んで、グッと股を開いて。 「はぁっはぁっはぁっくきた、くきたっ!」 花森は整った顔を歪めて、俺の名前を呼びながら腰を振って俺のナカを行き来する。 花森の玉袋が俺のケツにぶつかるたび、パンパンって音がした。 そおか……これがセックスだったのか。 そしてこのパンパンって音も、エロマンガで(なんでパン?)って俺の中でずっと疑問だったんだけど、皮膚と皮膚がぶつかる音だったんだな。知らなかった。 「うわ、やべぇ……っ、茎田のナカ、超気持ちいい……っ!」 なんか、あまりのことにおれ、もうなにがおこってんだかよくわかんねえんだけど。 「はぁっ! はぁっ! はぁっ!」 でも、花森の顔はよく見える。 部屋の電気はついてねぇのに、カーテンの隙間から漏れる月の光に照らされて、今まで見たこともないような必死な顔をしている。 「くきた、くきたっ! 俺もう出そうっ」 おまえってそんな顔もするんだな。 いつもの面子の中でおまえのそんな必死な顔を知ってるのって、もしかして俺くらい? そうだったらうれしい。 なんか花森の特別になれたみたいで。 「も、イク……ッ!!」 ああ、でも、花森のほうは別に俺が特別じゃねぇんだっけ。 こんなに手慣れてんだもん、コイツは男だって女だってよりどりみどりなんだし、手当たり次第に抱いてるに決まってるよな。 あれ? なんで俺、胸が痛いんだろう。 花森はただの友達のはずなのに、俺が特別じゃないんだって思ったらなんでこんなに嫌な気持ちになるんだろう。 こういう気持ちって、たしか…… 「はぁ……っ! きもちよかった。なぁ、お前もよかった?」 「………っ」 こんなの、ゼッテーおかしいよ。 暑さで頭をやられたのは、花森じゃなくて俺の方だったのか。
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