あさきゆめみし ゑひもせす

2/5
前へ
/14ページ
次へ
 翌朝、いつもの様に出社すると、昇格者の連絡が届いていた。 ──本当に昇格しちゃったなぁ……。  空席となったa-21のデスクを眺めながら、僕は完全に同期がいなくなった事に落ち込んだ。 「あれれぇ?お兄さんも昇格したいんじゃ無かったの?」  能天気なその声には覚えがあった。 「あっ、君は!」  白衣の少年は相変わらずニコニコと笑顔を保ったまま、僕の顔を覗き込む。 「ついておいでよ」  彼はそう僕に耳打ちした。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加