01_北見氏からのファーストコンタクト

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 北見氏──。  その容姿からクラスの、いや学年のアイドルとして崇め奉られた人物である。神々しすぎて、言葉を交わしたことがなくても女子の誰もが苗字ではなく「結翔くん」とささやき合うほどであった。  とっさに左右を見た。  両親の出勤に合わせての、登校には早目の時間だ。クラスにはほかに数人がいるだけだった。 「ちょっといいか」  結翔は挙動不審の羽奈に構わずそういうと教室を出ていった。 「……ついてこいってこと?」  世間ではこういうとき、なんだかいい感じの展開になるらしいが、結翔の気だるそうな背中を見ていると、絶対に告白などというシーンではないといえた。  すると心当たりはひとつである。
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