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結翔は肩をすくめる。
「あんた、俺を見ただろ。昨日だけじゃない。一昨日も。それは口止め料」
う、と首をすくめる。やっぱりバレてたか。
「いいか」と結翔は低い声を出す。
「誰にもいうな。関わらないでくれ」
「そんなこといったって、見たのはたまたまだし。結翔くんがご近所さんなんて知らなかったし」
「それは」といいかけた結翔が、「はああ、もう~」といきなりしゃがみ込んだ。うぉう、と羽奈は後ずさる。
「──こういうの、ホント苦手なんだよ。誰かを威嚇するとかさー。趣味じゃないし、やりたくない。どんだけ日々メンタル削られているかっていうの」
結翔はしおしおと身体を縮めて首を振る。
む、むう、と羽奈は拳を握る。
この──学校キャラとのギャップ。さんざんポプラ綿毛公園で見てきた姿であった。
まったくもう、あたしにどうしろっていうのさ。
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