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「いや…でも、光永が俺の事好きだなんて…マジ何で?ありえない」
「約4ヵ月前、6月18日。雨の中で泣いてる男の子を、傘に入れてあげてた」
「え…っと、あぁ。親に叱られて家出したって言ってたアイツ」
「お母さんが来るまで、新田はずっとそこにいた」
「まぁ、そうするしかなかったし…」
「目線を合わせて、ずっと中腰だった」
「…んー?」
「バッグも肩もずぶ濡れだった」
「だっけ?」
「ほら‼︎だから好きになったの」
「え⁈」
「当たり前みたいに他人に優しくできる新田だから、好きになったの」
「ヤバいな…。泣きそうだ」
そう言って新田は私を抱きしめた。
「好きです」
「俺も好きだよ。大好きだ」
優しいローズの香りと新田のにおいが混ざって、幸せのにおいになった。
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