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俺は遂にたまごから外へ出てしまった。
これで、俺の引きこもり生活は終わった。
これから俺は外敵との洗礼を、もろに受ける事になる。
助けてくれーー!!俺をたまごから戻してくれ!!・・・って、たまごはもうパリパリに割れてもう中に入れなかった。
悔しくて、俺は泣いた。
ぴーぴーぴーぴーぴー!!
あれ?俺・・・鳥の雛?ん・・・もごっ!!
俺の嘴にミミズを押し込んだ奴が居る。
それは、俺の親鳥・・・俺がたまごから孵って初めて見た親鳥は、ハヤブサだ。
俺はハヤブサに転生したのだ。
自然界で頂点に君臨する猛禽類・・・引きこもりの時、パソコンでの知識を得てるんで一発で解った。
そう!俺は強い!もう気弱で誰にもいじめを受ける奴じゃあないんだ。
ばさっ!ばさっ!ばさっ!ばさっ!
親鳥は巣から去っていった。次の獲物を得る為に。
親鳥の翼の風圧の後、心地よい微風が俺を撫でていった。
引きこもりの時に感じなかった、このウットリとした感触・・・これが外の世界。
やがて目を開けるようになると、俺は辺りを見渡した。
そこには、ライバルの雛達。
この世界に生き残る為のサバイバル。
どうやらこの世界もシビアだろう。でも、雛達はお互い切磋琢磨している。
親鳥からもらう餌もお裾分け。
そして、やがて成長して飛ぶ練習をするにも一緒に飛ぶ為に助け合った。
仲間って、素晴らしい・・・
そして俺は、大きく逞しいこの翼をはためかせて上空を飛び、森や向こうに拡がる人間の街を散策している。
これが、外の自由な世界。
これが、外の楽しい世界。
この世界は、何処までも拡がっている。
前世は引きこもりだった俺。
今まで何で気付かなかったんだろ。
外から見下ろすこの世界の本当の素晴らしさに、俺は嬉し涙をながしている。
さよなら、引きこもりの俺。
ようこそ、外の自由な世界。
~たまごの中身は転生引きこもり~
~fin~
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