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頭を抱えた私
2月末の水曜日の昼下がり。私は思わず目をつぶり、頭を抱えた。
スマートフォンに示されているのは小説投稿サイト・ノベルキングダムのコンテスト募集ページ。「1ページから参加できるSUPER空想コンクール」という名の短編小説コンテストの要綱が記載されている。
与えられたテーマに沿った作品をノベルキングダムを利用している各クリエイターが出品し、その中から優れた作品に賞金と審査員からの講評が与えられる、というのが「1ページから参加できるSUPER空想コンクール」である。テーマはおよそ2週間に1回ごとに与えられるため、年間開催回数は20回から25回程度。各回で上位にノミネートされた作品はノベルキングダムが発行するアンソロジーに収録される可能性もあり、自分が書いた作品が書店に並んだ本に載るチャンスなのである。クリエイターからは「すーこん」の愛称で親しまれるノベルキングダムのいわば看板コンテスト。毎回皆勤を貫く作家たんもいれば、この看板コンテストの研究やデータ分析を行ったり、独自でランキングの作成を行ったりしている作家たんもいるぐらいなのだ。
かくいう私・えむもノベルキングダムのユーザーであり、いわゆるクリエイターの1人。「すーこん」にはここ2年間、毎回出品している。何度か、審査員からの講評を貰ったこともあった。
しかし、今回私は悩んでいた。
今回のテーマは「桜が散るとき」
私は桜の回が嫌いなのだ。
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