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「だからこちらでその辺含めて全部用意しますよ、って話です」  言われてしまえば納得するしかない話だ。確かにそういった場に相応しい服などセレスは元より教会にだって用意はできないだろう。聖女としての礼服はありはするが、そんな格好で祝いの席に出られるはずもない。え、でも聖女としてならむしろアリなのでは? とセレスは一瞬閃くが、その考えを見透かしたのかシークは元よりアンネにまで静かに首を横に振られてしまった。 「とりあえず今後の予定さえ教えて貰えれば、後はこっちで勝手に用意しますから聖女サマはお気になさらず」  そう言われたところで気になる事だらけだ。さらにはそこに追い撃ちがかかる。 「良かったですね聖女サマ。これが終われば俺との縁も切れますよ」 「え――?」 「さっきも力強く言われたしなあ。俺としては末永くご縁を結んでいたかったんですが……まあ、そんなわけで残り少ない日数ですが、それまではよろしくお願いしますよ聖女サマ」
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