すき きらい すき

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サクラがずっと嫌いだった。 私が好きになった、 パンダ組で一緒だったセイジくんも、 小学校の野球部のタイガも、 中学の先輩のシンゴさんも、 高校の吹奏楽部でサックス吹いてたヨネザワも、 大学のサークルのソラオ君も、 ライターの同僚のハルオミも、 みんなみんな、サクラの事が好きだった。 だけど、唯一サクラが愛した眩しい太陽の様なナツヲは、私の事を愛していた。 ナツヲとの結婚をサクラに伝えた時、サクラは頬を赤らめて言った。 「幸せになってね」 サクラはナツを前に散るけれど、その姿まで美しい。 前言撤回。やっぱり私、サクラが好き。
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