ネックガード

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 訃報が届いたのは少し寝坊した休日の朝だった。  何時かと思って目覚まし時計に使っているスマホに手を伸ばす。人の気配が感じられなかったので、同室の後輩はどこかへ出かけているのだろう 。  朝十一時。学校や朝練がないとこんな時間に起きてしまう。  何やらメッセージが届いていることに気がついた。学校以外に知り合いは少ないし、外部から連絡が来るといっても家族くらい。部活関係の知り合いは多いが、他校の友人から連絡が来るのは大会前が多く、同校の友人は寮に住んでいるためわざわざメッセージが送られて来ることはほとんどない。ノック一つで済む話だ。  だからメッセージが届いていたとき、誰だ?とまず最初に思った。  そしてメッセージを開いた瞬間、自分の目を疑うことになる。  中学生のとき、同じアイスホッケーのクラブチームにいた濱田(はまだ)星弥(せいや)が亡くなったというのだ。死因は自殺。寮の部屋での首吊り自殺。ベッドの上から自分の部屋を見渡し、こんなところで人は死ねるのだろうかと思って寒気がした。  理由が全くわからなかった。星弥はホッケーをするために北海道の高校へ進学し、望みどおり毎年インターハイに出場もしている。あんなに上手い選手たちの中で見劣りしないほど成長していた彼に、一体何が起きたのだろうか。  人の心の中は見えない。見えないからこそ、考えたってわかるわけがないことはわかっているのに、俺は星弥の死の理由についてしばらく考えた。
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