ネックガード

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 中学生で同じチームになってからの写真もたくさんあった。初めて同じチームの仲間として戦った三年間。一緒に映っている写真はほとんどなかったが、全員写真とか、奇跡的に一緒に攻め込んでいる写真もあった。  ずっと一緒だったんだなと思った。あまり語り合っていないだけで、俺たちはいつも一緒にいた。  何で死んだのか理由はわからない。星弥のご両親もそう言っていた。できる限り理由を探してはみたけれど、遺書もないし、携帯の履歴などでおかしな様子もなかった。チームメイトからの証言、学校の友達からの証言でも何もわからなかったと。  そんなことがあるんだと思った。理由は些細なことかもしれない。でも星弥は死にたいと思ったから死んだのだ。一秒でも一瞬でも、イヤでたまらないことがあったのだろう。 「全国で会おうな」  俺の記憶の中にある、星弥の最後の言葉はそれだった。星弥への記憶はそこで止まっている。  結局全国で会うことはなかった。見かけることはあったが、星弥の〈全国で会おうな〉は言葉の意味どおりではなく、〈全国で戦おうな〉、そういう意味だととらえていた。  俺のいる高校はアイスホッケー部ができたばかりな上、全国大会に出れはしたが毎年一回戦で負けていた。つまり、ものすごく弱い。  有名校に進学したい気持ちもあるにはあったが、ホッケーが盛んでない地域で少しでも活躍できれば、何かが変わるような気がしていた。勝手にそんな気分になっていた。  でも全然ダメだった。現実は甘くない。全国には通用しない。チームメイトもがんばってくれてはいたが、俺くらいのレベルに達するメンバーはごくわずかだった。  今年は三年生最後の戦い。そう思って意気込み、試合も遠征も監督に頼み込んで増やしてもらった。今年こそは星弥に会うと闘志を燃やしていた。  そんなときに突然やってきた星弥の訃報。理由がわからない。ホッケーは北海道の高校生たちの中でも引けをとらないほど上手いし、このまま行けば有名大学からのオファーは間違いなかった。いや、すでにオファーはきていたのかも。なのになぜ今…… 「おい、大丈夫か」  咲太が急にそんなこと言うものだから、何を言っているのかさっぱりわからなかった。きょとんと彼の顔を見返していると、咲太が俺の顔を指さしてきた。
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