1人が本棚に入れています
本棚に追加
タイムカプセル
タイムカプセル。
小学校六年生の時に未来の自分に
あてた手紙の贈り物。
だいたい内容は覚えてないけれど
そんなには期待してない。
二十歳になった今。
タイムカプセルを掘り起こす連絡が
きた。
昔の探偵クラブの奴から来て
少し懐かしみを覚えた
「今からこれる?…かぁ」
メールの着信が他の奴からもくる。
俺は今向かってるーっていってるのにも
相変わらず酒に溺れてるのか
意味のない文字列も送られてくる。
「二十歳かぁ…。
もうこんなに過ぎてたんやな。」
たったの8年前。
俺には好きな人がいた。
その子は朱崎さんといって
ショートボブて口元にほくろがある。
そしてトレードマークに黒電話のピンバッチ
クラスの中でも隠れ人気な子やった
朱崎さんは成績優秀で運動もそこそこ上位で
マドンナ的、倉橋さんより
高嶺の花と言われていた。
しかし朱崎さんは意外にも謎解きが
好きな子供にしては珍しい子やった。
謎解きを好きな理由が
朱崎さん「伝えたい事が隠されてる…!
それの思いを自分の手で解き明かす。
これって素敵じゃない?」
この言葉は8年たった今でも忘れないくらい
朱崎さんが言ってた理由。
それが俺が好きになった理由やった。
そんな朱崎さんと俺は探偵クラブを
立ち上げた仲やったが、
朱崎は俺に謎を残して
引っ越していってしまった。
親の都合で彼女は連れていかれる事となった
そしてお別れ会の時に渡された
33 22 44゛33
43 22 11 43少 44 23 41゛ 31 12
手紙の裏に書かれた数字。
生憎、過去も今の俺は、馬鹿だ。
分からなかった。
今になってもなお手紙を持っているが
正直、キモいと思われているだろうか…?
んなことは気になったが頭のすみに追いやる
「今から昔の友達似合うんだ。
朱崎さんはきてるかなぁ…。」
大人なった今彼らはどうしているのだろうか
楽しみで胸がドキドキしていた。
最初のコメントを投稿しよう!