花冷えの頃

毎年毎年

　桜が咲くとどうしてもお花見に行きたくなるのが世の常だ。
　私も例にもれずお花見に行く多数派の中に入っている。
　そしてなぜか必ず夜桜見物に出かけるのだ。

　この何年かはそれもかなわなかったので、いつもかかる病にかからずに済んだ。
　花粉症かって？いや、それは桜とは関係がない。花粉に敏感な私は１月からすでに花粉症で悩んでいるのだから。むしろ桜が咲くころは終わりと言える。

　今年、久しぶりにお花見ができる事になった。
　何年か前に行っていた仲間とも久しぶりに会える楽しい夜桜見物だ。
　そして、いつもの病にかかってしまった。
　風邪である。桜を見に行くと必ず風邪をひくので桜が咲くのは嬉しいが少々嫌いでもある。

　花冷えの中、少し寒いと思いながらもお酒が入ると寒いのも忘れ、結構な時間を外で過ごす。夜はどんどん気温が下がる。
　暖かい格好でいったらいいのにと思う方もいるかもしれないが、出発しようとする夕方はまだ暖かいのだ。それに春のファッション、ファッション、、、ファックション。失礼。春のファッションに厚手のコートは無粋だ。

　お洒落な私はこれからも毎年夜桜見物に行き、花冷えの風邪をひくのだ。

　あれ？なんか名前かっこよくない？普通に風邪なんだけどさ。

『花冷えの風邪』

　どうよ、これ。

【了】