さくらがいれば

母と父の元へ

さくらと二人イタリアへ向かった、母の住まいで母の痕跡を探す！
デスクに僕の子供の頃の写真が飾ってあった。
母は僕を忘れていなかった！

パソコンに携帯とリンクした写真があった、日付から一年前の父とのドライブの途中に撮ったものだと分かった。

父の住まいのあるナポリと母の住むミラノの間にあるペスカ-ラと言う場所だった。

海沿いを走りながら撮った動画や食事の様子、自然豊かな風景、その中に古めかしいアンティークのお店の写真があった。
ガラス窓の向こうに立つ人形の写真！
どうしてこの人形を撮ったのだろう！

パソコンは持って帰る事にした。

片付けを終えて、次に向かったのはペスカーラ！
あのアンティークの店を訪ねた。
ウインドウの人形は無くなっていた。
写真にあった美しい風景はあえて見なかった、事故現場に花を備えて父の住まいのあるナポリへ向かった！

父の部屋は綺麗に片付いていた、きっと几帳面な人だったのだろう！
僕の知らない父！
母と同じように父のデスクにも僕の写真が飾ってあった！
僕の写真を見て何を思っていたのだろう？
父との想い出も顔も何も覚えていない。
父の部屋を片付けて、二人の遺骨を埋葬して帰国した。

さくらは何も言わずずっと僕のそばに居てくれた。