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私は、マッチ売りの少女、という組織で、医者をしてる。
この組織は、闇ルートで臓器移植を行っている。
自殺者を募集し、ドナー登録にサインをしてもらい、この施設に入居してもらう。
自殺者には、この組織が開発した、ある特殊なマッチで自殺をしてもらう。
そのマッチというのは、脳内ホルモンを分泌させ、人に快楽の夢を見させるというものだ。童話、マッチ売りの少女で出てくる、マッチと瓜二つなのだ。
しかし脳内ホルモンには限度がある。一度に大量に分泌すると、脳内ホルモンの生産が追い付かなくなり、脳内ホルモンは完全に枯渇する。
脳内ホルモンが枯渇した脳は、エネルギー消費のストレスに耐え切れなくなり、生命を維持する脳幹だけを残し、機能を停止してしまう。いわゆる、脳死と呼ばれるものだ。
脳死に至ると、元々、検査していた情報を元に、移植適合者に移植を行う。もちろん闇ルートなので、莫大なお金を頂く。
しかし、私たち組織の職員は、自分たちがしていることは慈善事業だと考えている。
命を終わらさえたい者に安らぎを。命を繋ぎとめたい者には希望を。そういう理念で活動している。
本心でそういう想いで活動はしているが、やはり少しは心苦しいものである。
せめて自殺者に、移植者の喜んだ姿を見せてあげたいものだ。
これは、本当か嘘か分からないが、意識というのは脳だけでなく、全ての臓器も意識を持っている、っという説もある。だったら自殺者も、移植したあとに、移植者が喜んでいる姿を、移植した臓器を通して見えていたら、少しは報われるのではないか?っと、私は勝手にそう願っている。
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