休むということ

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休むということ

手術後の5月頃 私の状態は、 見た目にはとっても元気だった。 4月の子宮筋腫での入院が幸いし、 うつ病は格段に改善した。 (私の実感では) 人に会うのがいやとか、 出かけるのが億劫とかいうことは全くなくなり、 他にも精神的に楽になった部分がずいぶんあった。 ただ、疲れやすいことと、 疲れるとやはり意欲が減退するということはまだ改善されてなかった。 なにより、 眠りが安定していないこと。 このことが、 まだうつから完全に開放されていない証拠なのだとドクターは言っていた。 眠剤ももちろん処方されていたが、 寝つきが悪いことと、 必ず一度は目が覚めてしまうこと。 これによって、 睡眠時間が確保できていないという説明だった。 「何時間寝てます? 寝る時間と起きる時間は?」 「11時には布団に入るようにしています。 起きるのは5時前後です。 (遅くとも6時)」 「6時間睡眠ではこの病気は治りませんよ。」 ドクターのこの一言は痛かった。 昼寝は30分程度がよく、 頭もリフレッシュされ、 それ以上は、 かえって体の怠さなどが起きるのでよくないという。 だが、それはうつ病の場合は 当てはまらないのだそうだ。 「夜睡眠時間が取れないのであれば、よく昼寝をしてください。 できるだけ。」と言われた。 体は休んでいるようでも、 あれこれと考え事をしているようでは、 心の疲れが取れない。 「怪我や他の体の病気と違って、 動こうと思えば動けてしまうのがこの病気の厄介なところなんです。 本人も調子がよいとつい動いてしまうし、 家族や周りの人にも理解されにくい。 もう少しできるという、 今ある力の8割から6割でとどめて、 疲れてしまわないようにコントロールしていかないと、 なかなかこの病気からは開放されませんよ。」 結局、 『休む』ためには 『眠る』しかない ということがよくわかった。
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