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予兆
それは、
46歳になる年の初めの頃だったろうか…
「いたっ!」
普通に歩いている時、
突然右足の付け根に痛みが走り、
足を引きずるようにしないと歩けなくなる…。
しかし、
その傷みはいつまでも続くわけではなく、
いつの間にか痛みは去り、
またふとした拍子に痛くなる。
そんな状態が一週間ぐらい続いていた。
シップを貼っても効果はなく、
〈整形外科でも行かないとだめかしら?
でも、ずっと痛いわけでもないし、
歩けないほどでもない。
どうするかな…〉と思案した。
後から思えば、
あの症状が予兆だったのかもしれない。
その後、
2月の始め頃から、
生理が不順で、
終わりそうで終わらない。
増えたり減ったりを繰り返しながら
だらだらと出血が続いた。
その前から、
1年ほど生理不順は続いていた。
普通の4日間ぐらいの生理の出血の後、
ほんのわずかの出血が一週間ぐらい続く、そんな状態だった。
「生理が上がるときは、
1ヶ月や2ヶ月続いたり、
最後にドバッと大出血したりして終わるものよ…」
そんな話を、
よく母親や先輩方から聞かされていた。
毎年の子宮ガン検診でも
子宮筋腫などの異常は指摘されていなかった。
なので、
〈あぁ、
私もこれで生理から卒業なのかな〉
そんなふうに簡単に考えていた。
しかし、
そんな状態が続いて、
さすがに3月下旬ごろになってくると、
貧血の症状が出てきた。
家の2階に上がるのもしんどい、
息が上がるようになってくると、
放っておいてはまずいな、と思い始めた。
3月の終わり、
旦那に送ってもらって、
産婦人科を受診した。
診断は、ホルモン異常ということだった。
ホルモンの筋肉注射をされ、
止血剤と鉄剤を処方された。
「一旦出血が止まってから、
また生理が来ますから、
それが終わったら、
ガンなどの悪い病気がないか詳しく調べましょう。」
そう言われた。
やれやれ、これで一安心…
のはずだった。
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