13. 馬を訪ねてどこまでも

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13. 馬を訪ねてどこまでも

 密着感が半端ない。  今アリシアは、クルメルの背にフェルディナンドと一緒に相乗りして、実家の牧場へと向かっている。  何でこんな事になったのかと言えば、話は数週間前に遡る。 「フィンダスが何処からやって来たのかやっと分かったぞ。サダル王国にあるカルロ島と言う島からやって来たようだ」  サダル王国と言うのはここキシュベル王国の南西にある海に面した国で、30年くらい前にキシュベルの属国となった。  まさかフィンダスの出処を本当に調べあげて来てくれるとは思わず、と言うか、アリシアは完全に忘れていたので驚いた。 「カルロ島……という事は船でこちらまでやって来たということですか?」 「ああ。島で暮らしていたとある男が旅にでも出たいと馬を連れて大陸に渡り、キシュベルを放浪していた時に外出中の陛下に馬を譲って欲しいと頼まれたらしい」 「大金を目の前に積まれて、代わりに新しい馬でも買えばいいや、と言った所でしょうか」 「そういう事だろうな」  国王陛下もまた突拍子もない人だ。その辺を歩いている馬がいくらカッコイイからって突然譲ってくれってお願いするなんて……いや、私も多分するな。同類だ。陛下に急に親近感が湧いてきた。 「どうする? 行ってみるか?」 「行ってみるかって、しばらく休暇を頂けるということですか?」
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