13. 馬を訪ねてどこまでも

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 休暇を貰えるのだとしたら、その間のクルメルの世話は以前のようにフェルディナンドがすると言う事なのだろうか。それとも遠征の予定でもあるとか? 「実はな、俺とヴァルテルで各地を視察しに行く予定があるんだ。主にサダル王国の方がどうなっているのかを見に行く予定だったから、一緒に付いてくればいいんじゃないかと思ってな」 「それって私がついて行ったら明らかに邪魔になりません?」 「いや、そうでも無いさ。馬の世話はして貰えるし、知らない男に話しかけられるよりも女性の方が警戒されにくいと言うのもあるしな。まあ付いてくるとなったらそれなりに使われることになる。それでも構わなければ来て欲しい」  「来て欲しい」なんて言い方はちょっとずるい。「来てもいい」って言ってくれたらいいのに、答えにくい。 「どうやらその島固有の馬みたいだぞ」 「行きます! ぜひお供させてくださいっ!!」  一瞬で迷いはなくなった。  是が非でもその馬たちを拝みに行かなければ!  あわよくば、何頭か連れて帰って繁殖させなければ! と言う使命感に駆られる。  そんなこんなでフェルディナンドとヴァルテルの視察の旅にお供させて貰うことになったのだけれど、さてここで、何故フェルディナンドと相乗りをしているのかについて。
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