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僕は街を歩いている。
自宅近くの表通りを歩いているだけなので、人通りはそこまで多くはない。
それでも途中、何人かとすれ違う。
すれ違うたび、僕はその人物の顔、それから身体に、用心深く目を走らせる。
町には、奇妙な人間が増えてきた。
まず、異様な巨乳の女性たち。
カップサイズでFやGというような、数は少ないものの従来の人類に見られたような、そんな大きさではないだろう。胸のところで身体の輪郭が三倍に膨らんだような、そんな大きさの胸をして、重そうに、だが平然と歩いている、そんな女性たちだ。
それから、カマキリのような顔に長い手足、これまた異様な外見の人間たち。これは、男も女もいる。
そんな人間たちだが、人々は見咎めたり不審がるような様子はなく、社会に溶け込んで暮らしている。
僕一人がそんな人間たちに警戒しながら、近所のドラッグストアで買い物を済ませ、自宅へと足早に帰る。
最近はもっぱら在宅ワークだ。菜摘の具合がずっと悪く、出かけているうちにどうにかなってしまわないかと心配だったからだ。
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