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Showbiz☆Brothers フルあらすじ
(ネタバレ版。オチまで入っています)
20年前、人気ロックバンドGradersの歌手・桐生純也が女優・樫村美咲の自宅マンションから理由不明の投身自殺をした。美咲は妊娠していることを公表し、産んで育てると宣言するが、純也には非公表の内縁の妻・詩織と1歳になる息子・伶がいた。
詩織は伶を守りたい一心で純也の死後も自身と伶の存在を公表することなく日陰の身を貫いた。Gradersメンバーであり、純也の無二の親友であった江崎灯真は、純也を失った衝撃から表舞台を降りてしまう。詩織は灯真が同性愛者であることを知っていながら、純也を亡くした傷を舐めあい、伶を愛してくれるのは灯真だけであると信じて結婚する。やがて人工授精によって伶の妹・結が生まれる。伶と結は深い愛情と豊かな音楽教育をうけて天真爛漫に育った。
(ここまでは『Street of Broken Dreams~破れた夢の道~』からつながる背景)
時が経ち、伶はバンド活動に熱中する大学生に成長した。両親とGradersのメンバーから多くを吸収して育った伶がプロのミュージシャンを夢見るようになるのは自然なことだった。伶は灯真を尊敬し、純也に愛憎を抱きながらもGradersを超えたいという目標を持つ。しかし、灯真の伶へのバンドの評価は厳しい。スカウトされても邪魔をされているようにさえ感じる。灯真の実子である妹・結のほうが身内からも世の中からも音楽的才能を評価され、伶は将来を案じるバンドメンバーを率いながら焦りを感じていた。
そんな時、異母弟である陽人がアイドルとしてデビューし、急激に成長していることを知る。母と自分がいたにもかかわらず、美咲と恋愛して自殺した勝手な父・純也への恨みと公の場で「桐生純也の忘れ形見」「芸能界のサラブレッド」などと称され注目されている陽人への憎悪に伶は震える。容姿も声も何もかも自分のほうが純也に似ていると認識する伶はGraders伝説で儲けたい大人達に自らけしかけ、灯真に相談することもなくデビューを急いでしまう。
一方、美咲の下に生まれた陽人は、女優であること、女であることを優先する母とその男達から精神的に粗末にされて育った。愛されない悲しみから逃げ出したくて、空想の兄(イマジナリー・フレンド)を創り出して自身を慰める幼少期を送った。母の知人であるアイドル事務所の経営者から声をかけられた陽人は、母から独立して見返してやることのできる手段として養成所に入る。すぐにトップ・アイドルとしての頭角を現す。
アイドルとして愛されることに生き甲斐を感じ、憧れの父の子であると注目されることの幸せで満ち足りていた陽人だが、自分よりも父によく似た青年・江崎伶が率いるバンドMoversを見て驚愕する。父の血を継いだ子が自分だけではなかった事実に陽人は傷つくが、幼いころから夢見た空想の兄への想いを重ねながら、父の生き写しのような伶に憧れを抱くようになる。
しかし、偶然対面した伶はときめく陽人とは対照的で目も合わさずに無視をした。傷つき落ち込む陽人にマネージャーの斉藤はソロ歌手としてデビューしている妹の江崎結と会えるようにと計らってくれる。
結は伶の陽人に対する失礼を詫び、いつか伶と陽人が分かり合えるようにと協力してくれるという。常に男に媚びる母を見ながら育った陽人はトップ・アイドルでありながら私生活では女性不信だったが、結の義理の妹としての嫌らしさのない振る舞いに心を許す。次第に惹かれあう二人は互いを運命の人であると認識する。
伶はといえば、実父・純也に捨てられたトラウマから女に夢中になどなるまいという意志から「やり捨て男」となっていた。でも内心は名声に寄ってくる女としか出会えないことに失望していた。そんな自分を棚に上げて、結が家族にも紹介できないような男と付き合っている様子に気をもむが、その相手が陽人であると知って絶望する。
陽人と結は極秘交際を続けるために徹底して行動を自粛する。陽人の立場を尊重する結はトップ・アイドルの恋人として自覚を持ち、決して二人の仲を他言したり匂わせたりしない。そんな結を陽人は生涯離さないと心に決める。
陽人と結が付き合っていることに気づいた伶は、人づてに陽人の人柄を探る。不遇な育ち方をしながらも心優しく身持ちが堅い陽人の評判に伶は自分が恥ずかしくなる。伶は陽人を受け入れてやりたい気持ちと純也と美咲を赦せない気持ちの間で揺れる。
同じ音楽界の中で異母兄弟は成功と挫折を経験しながらキャリアを確立していく。陽人は結を通して、伶は灯真らを通して、父・純也が遺した音楽への想いを知り、励まされる。
灯真ら元Gradersのメンバーから温かく迎え入れられた陽人は初めて家族の愛を知る。愛情深い家族と仲間を捨ててまで母の元で自殺した父の死の謎について母・美咲に迫る。陽人が結と恋人関係であることを告げると美咲は逆上して純也の最期について白状する。美咲の脅しによる事故死だったことを知った陽人は母子の縁を切る覚悟をする。
順調な仕事の合間、陽人と結は海外旅行を極秘計画する。あと五年待とうと将来を誓いあうが、なぜか追って来た写真週刊誌にスクープされる。
アイドルとして窮地に立たされる陽人に追い打ちをかけるように、熱狂的なファンが結を襲って顔を傷めつける。
伶と陽人は駆けつけた病院で顔を合わせる。伶は陽人を弟であると認め、陽人と結がどれだけ愛し合っているかを認識する。伶はファンと家族の気持ちを優先して努力してきた2人を陥れた者を探し出そうと、芸能雑誌記者・松井薫子に近づく。
松井は伶の半生について取材されてくれたら情報を流すと交換条件を出す。松井から得た情報によって陽人を陥れた黒幕がマネージャーであることがわかると、伶は事務所に乗り込む。社内から出た錆であると知った陽人の事務所は陽人を切らずに擁護する。
伶は自分の人生を認めてくれた松井薫子に心を開き、初めて真摯な想いで恋をする。方々から叩かれ、自信を失った陽人に伶は自分のライブで一緒に歌おうと提案する。異母兄弟が亡き父が遺した歌を歌う会場で、二人を取り巻く家族と仲間とファンが一体になる。父達が夢見た先の光景の中で一つになれた奇跡を享受する。
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