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その4
『というわけなんだよ。君の無能王のおじさんによく似ていると思わないかい? いやさぁ、マウントしてきたのはいいんだけどさ、二ページの表すらも覚えられないって酷くないか?』
「あははは…そりゃ酷いね」
そう頷く俺だったが、頭もそれほど良くない俺からすれば、人のことを言う資格など何処にもないように思えた。
『仕事ってルーティンワークだから、それしかしない奴は軽い認知症になる。多いだろ、そういう奴。まぁ、旦那に寄生せずに働いているのは偉いと思うよ。もう少し、様子を見ようか』
『無能王にありがちな仕事を通じて成長しようという考え方は実はとても危険なんだよ』
「どうして? 成長しようとすることは良いことじゃないの?」
『成長する事そのものには何の問題もないが、仕事を通じてって言うのが危ない。仕事って言うのは当然、上司から教わる。ところが、無能な上司ほど仕事を取られるのを嫌がってわざと教えない。
外人がよく言うが、日本人には特に多い。だから教えない上司を通じて成長しようという考え方はとてもハイリスクなんだよ。
まぁ、無能王が無能なのはそれ以前になるべくマウントを取りやすい人間を探し、自立マウントをするというダニのような卑しい発想に原因があるわけだがな。ハレルヤ』
「アーメン」
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