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「はいはい」
僕は少し笑いながら
彼女の言葉を適当に聞き流した。
すると、彼女は
緩くカーブのかかった長いまつ毛を
軽く揺らして海月桜から目を離した。
彼女が僕を見た。
彼女のビー玉みたいな透明感のある瞳に
僕が映る。
僕が少し……
驚いたような顔をして映っていた。
別に、なんて事は無い。
エイプリルフール。
幼馴染に見え見えの嘘をつかれて、
その嘘を瞬時に見抜いた僕が、
少し呆れて、笑って、聞き流した。
そんな、なんて事ない日常の一コマ。
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