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「なんでだんだん
髪の長さが短くなっていってるの?」
ある日の学校帰り、彼女に尋ねた。
彼女はいつの間にか
肩につくかつかないかぐらいの
長さになった髪の毛にそっと手を添えた。
「あぁ、これ?」
耳に髪をかけた彼女の横顔が
なんだか寂しげで。
僕は目が離せなかった。
彼女が浮かべる表情一つ一つを。
目に焼き付けて置かなければならない。
そんな気さえした。
そのくらい。
寂しげだったのだ。
そのくらい。
きっと僕は不安だったんだ。
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