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((なんでだんだん
髪の長さが短くなっていってるの?))
問いに、返事はくれぬまま。
くれぬまま……
海月桜が散り始めた。
半透明な花びらが一枚一枚。
丁寧に地面へと吸い込まれる度。
僕はまた、どうしようもない不安に駆られた。
日に日に短くなっていく髪の毛が、
彼女を奪い去ろうとしている気がして
ならなかったのだ。
((私ね、これが散ったら消えちゃうんだ))…
きっと、嘘。
彼女の、嘘。
だってあの日は、エイプリルフールだ。
んな事は分かってる。
分かってるから、あの日僕は
笑って、内心呆れながら「はいはい」と
聞き流したじゃないか。
なのに……
なんか変だ。
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